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視察報告 江別市男女共同参画セミナー

視察 江別市男女共同参画セミナー(報告:宇多代表)


【目的】

更年期は、昨今女性に限らず男性にも訪れる

更年期の世代にある方々は、それぞれの職場や社会において大切な役割を担っている。

その中で、更年期の諸症状によって何かしらのマイナスの影響が生じたり、キャリアを失ったりする「更年期ロス」近年問題視されている。

自分や家族にその時が来たら、どのように向き合っていけばいいのか。年齢や男女を問わず、更年期を正しく知り「相手への思いやり」や「お互いの健康」について考え“幸”年期にするためのセミナーが開催されるので参加。

また、同じく「男女平等参画社会」を目指す、江別市男女共同参画推進連絡協議会が江別市と共同でこのセミナーが実施とされているので、行政との連携の様子も拝見できるので参加する。


【内容】

◎講演会:「男と女の更年期 正しく知って「幸」年期にしよう」

講師:助産院ハイジア院長 佐藤みはる氏

講演内容

1.更年期とは

2.更年期にヘルスケアが必要な理由

3.働く更年期世代がおかれている現状

4.男と女の更年期

5.更年期障害の予防と対策


更年期:閉経の前後5年間、約10年間をいう。女性の場合、誰でも必ず訪れる。

症状は、心身の変化・不調を指し、8~9割何かしらの症状。

病気による症状ではない症状により生活に支障をきたす病気と捉えられる。

調査では、症状やその障害により、仕事のパフォーマンスも約半数の人が5割減っている。

仕事を辞めたこと・悩んだことがある人は36%。 昇進を断念した(考えたも含む)67%。

これら更年期と社会的損失は(NHK更年期と仕事に関する調査2021)では女性で年間およそ4200億円、男性2100億円になる。 また、更年期症状と分からず、複数科受診検査で434億円損失と試算される。

男性更年期障害について、6人に1人が隠れ男性更年期と言われている。 また、600万人が予備軍。

支障は、職場でイライラ、症状が原因で仕事を辞めた割合が女性9%、男性7%。

仕事への影響は(NHK調査)更年期ロス(人事評価が下がった・降格した、労働時間・業務量減)に表れ、ロスは男性の方が深刻とされる。

抱えた問題は、職場の人に迷惑をかけたと思った割合が女性より高い。

定義として、女性のような出来事が無いので明確な定義はない。

更年期症状について、女性の場合は「身体症状」 男性は「精神症状」

身体症状:肩こり・腰痛・手、疲れやすい、急に顔がほてる、汗をかきやすい、怒りやす

イライラ、冷え、息切・動悸、頭痛・めまい・吐き気。

精神症状:集中力の低下、無気力、不眠、不安感、性力低下、頭のもやもや、頭が重い、イライラ


原因は、エストロゲンの減少。

予防と対処方法は、生活習慣:食事、運動、睡眠、ストレス軽減、リラックス方法、サプリメント

治療は、女性の場合:エストロゲン補充療法、漢方薬、抗うつ薬。産婦人科・婦人科

男性の場合:テストステロン補充療法、漢方薬、抗うつ薬。泌尿器課・内科

家族関係は、夫婦仲・会話の頻度・相手に対する支援、それぞれ関わりが薄い方が症状が重い

家族の関わりは、本人の話をよく聞く、家事の分担をする、スポーツや趣味を一緒に行う、更年期について知識を得る、受診を勧める等。

職場では、職場全員への研修、経験者同士で相談できる環境、性別に関係なく相談できる環境、上司に相談しやすい環境等。


仕事両立で必要な支援は、有休休暇や生理休暇の使いやすさ、休んだ時の休業保障、更年期で使える休暇、治療の経済的支援、働く時間の柔軟性等。

まとめ:人生100年時代、女性も男性も健康で元気で長生き

    50歳までは、性ホルモンが健康を守るが、 残りの人生半分はセルフケアを行い自身の健康を維持していく必要がある。


    男と女の更年期を正しく知って「幸」年期にしよう


◎グループディスカッション

テーマ①更年期へのイメージ、講演を聴く前と後でどう変わりましたか?

テーマ②本日のセミナーで得た知識や成果を、今後どのように活用し広めていきますか?


セミナー会場の北海道情報大学生も講演会を聴き、グループディスカッションに参加。

生理・更年期の辛さを知り、その理解と周りに深める必要性を述べた。


【所見】

セミナーでお聞きする更年期の話は、一昔は口にするのもはばかることだったかと。

その症状はそれぞれだが、相当大変つらいこと。

それが今は、女性に限らず男性にも訪れるとされ、男はこうあるべき時代の男性は気づきもせずにまた口には出せずに辛かったであろうと思う。

世の中、男女平等社会で互いを認め合っていくことが全てに求められるが、「更年期」に対しては、この情報を正しく知ることが大事

グループディスカッションでは学生からそれぞれの家庭の様子も聞くことが出来、小さい頃から母親の関わりの中で知識が育まれている学生もいて、思いやりに満ちた瞬間でした。

どの学生も学んだことを周囲に伝える・発信すると述べられた。

また参加者のお一人が健康経営に関するお仕事をされていてお話の中で思い返したことは、これからの世の中はワークライフバランスのワークには経営者側の労働者一人ひとりにどう向き合い、その家庭環境を知るかによると思いました。

結婚、出産、育児、介護、疾病…そして今回の「更年期」

一人ひとりの環境・働き方に合う経営であって欲しいものです。


今回のセミナーは、行政と市民団体(協議会)の共同実施。

休憩中の様子からも良い関係性があるものと感じる。

この種のセミナーが単体ではなく、共同で取り組み、向かう先が同じであって欲しいと切に願うものです。

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